こんにちは。骨格屋のもりぞうです。
私たちは日頃基本的には患者さんに触れるということで施療をしていますが触れることによってどのような影響があるのかという研究の1つをご紹介します。
対人接触の実験はその性質上やりにくいことが多々あるのでデータはあまり多くはありません。
早稲田大学で学生の同性間で行った実験があります。
あらかじめ幼児期における両親との接触頻度の高低を調査しておいて、実験で接触する身体の部位は肩と腕の2カ所に接触するものです。
接触の仕方は、
「手をただ置く」
「軽くたたく」
「撫でる」
の3パターンとする。
そして接触した後に、気分評定票で接触にたいする心理的影響を回答してもらいました。
結果は身体部位に関しては肩の方が腕よりも、うれしさ、落ち着き、親しみ、励まし、の気分が強くなりました。
また興味深いのは不快感について男性は肩と腕では違いがなかったのですが、女性は肩が男性よりも不快感が少なかったが、腕は男性よりも著しく不快感を示しました。
触れ方に関してはただ手を置く触れ方は他の触れ方より緊張を高めることになりました。
軽く叩く接触は励まされた感じがより高くなりました。
また、幼児期における両親との接触の程度が高い人は、接触に対して、親しみの感じと励ましの感じをより高く感じており、程度が低い人は緊張感をより高く感じていたそうです。
対人接触は被験者の了解のもとでなされたもので、どうしても制約があるのですがこのデータは貴重なものです。
肩も腕も比較的触りやすい身体部位であるのですが、それでも両者の間に差異がみられたことは接触に対しての心理的効果は精妙であるということがあるということが分かります。
触り方によって感じられるものが違うことも興味深い点です。
ここで行った触り方以外にも多様な触れ方があると思うのでそれによってもより多岐にわたる反応があり得ることは想像できると思います。
また幼児期における両親との接触の多寡が現在の接触感覚に影響していることもあります。
幼児期での両親との接触や友人との接触の多寡がもたらす影響については、孤独感に関する調査があります。
孤独感を構成する
「人間同士の理解・共感ができる(孤独感が低い)」
と
「人間の個別性に関する気づき(孤独感高い)」
(個人的には人間の個別性に関する気づきが世間一般の孤独感の理解とイコールなのかは疑問ですが。。)
に関して調べたところ、幼児期・児童期における父親と母親との身体接触の高低との関連がみられた。
すなわち母親との接触頻度が高いと共感できるという結果がみられ、
父親との身体接触が低いと個別性を意識するという結果になった。
友人との接触の多寡と共感には関連がみられませんでした。
このことは幼少期における親との接触が、成長してからの孤独感に影響することを示しています。
これらの結果からすると触れるという行為自体が心理的に及ぼす影響についてでしたが、
施療側からするとただ触れるということで及ぼす肉体的だけでなく心理的側面にも目を向けなければいけないということを考えさせられます。
これが異性だった場合はまた違うかもしれません。というか違うはずです。
触れられる学生が触れている学生をどう思っているかや逆の場合も違いがあると思います。
またその人にとって肩を軽く叩くことが励ましの認識があれば良いですが、
逆に軽く肩を叩かれることが軽蔑や侮辱という間隔がある方には全く逆の反応を引き出すことにもなりかねないということだと思います。
幼少期に痛めたところをさすってもらって「いたいのいたいの飛んでけー」で楽になった経験があるかたがあるかもしれませんが、
その両親の手よりも効果が出せる手は他にあるのでしょうか。
自分と他の人の境界線は触れるという行為で無くなることもあるでしょうし溝が深くなることもあるかもしれません。
核家族化し、SNS、インターネットの普及があり人と人のつながりが希薄になっているこの時代でより人が向き合って触れるということの影響はより大きく、深く慎重さが求められる時代なのかもしれません。
施療者としては触れるということの重要性や侵襲性をもっと深く意識しなくてはと思いました。
今日も最後まで骨格屋のブログを最後までご覧いただきありがとうございました。
もりぞうでした。
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