こんにちは
骨格屋のもも狩り担当のもりぞうです。
前回は胃食道逆流症(GERD)についてでしたが今回は胃潰瘍についてです
先に潰瘍とはどんな状態なのかというと
「『潰(かい)』は『くずれる』こと,『瘍(よう)』は『からだの傷やできもの』のことで,『潰瘍(かいよう)』は『からだの一部がくずれてできた傷』という意味です。同じようにしてできた傷でも浅い場合は『糜爛』(びらん)と言います」
なので胃潰瘍=胃に穴が開く。と聞いたことがあるかもしれませんが実際は穴はあいてない状態ですね
なぜ胃潰瘍になってしまうのか
そして、その研究の軌跡をお送りしたいと思います。
長くなってしまうため今回で完結しないのですがよろしくお願いいたします。
前々回、胃自身が胃の中に物が入ってくると胃酸を生成して食物に備え撹拌して自身の判断で次の十二指腸に送ると言いました。
これが脳神経ならぬ腸神経で腸が独自に判断して働きます
それ以外にも胃酸の生成を促すことがあります
胃に何もなくてもおいしそうな食べものを思い浮かべたり、不安を感じただけでも胃は確かに胃酸をつくりはじめます
このように脳から命令されて起こる消化反応では
神経質になると胃酸が出やすい。
激しく怒れば胃や腸がのたうちまわる。
興奮して腸管が捻じれて回転する
と、こんな感じです。
その腸管からのメッセージを脳で受け取るとそれが胃の不快感、さしこみ、あるいは腹痛として知覚されます
そして、脳と腸管を繋ぐ迷走神経を手術で上手に切断すると神経症と腸管を切り離すことになるのでいくら不安に感じても脳の心配は腸管には届きません
以前はその伝導路である迷走神経を切断するという方法も胃潰瘍などでよく選択されていたそうです
そこで不安と胃酸の関係から周知の事実として潰瘍性疾患は心身症(メンタル)であると信じられていきました
脳が迷走神経を介して異常なシグナルを送るため過剰に分泌された塩酸などが胃壁を徐々に削っていき潰瘍ができる。
これが神経症によって潰瘍ができるという説の根拠になりました
確かに非の打ちどころがなさそうな理論でしたが結論はいかに。
臨床的、あるいは実験的な観察から、潰瘍性疾患が心身症であることを裏付ける証拠らしきものが多く見つかりました
例えば、苦しい手術を経験した患者や病気を苦にして大きなストレスを感じている患者には潰瘍ができやすいことがわかりました
このような『ストレス性潰瘍』は入院中にできることが頻繁にあって治療をとても難しくします
動物実験でもラットの手足を縛り動けないようにすると一晩で腸には潰瘍が出来てしまいます。
これらの病変は『拘束潰瘍』といわれるそうです
ほかの動物実験ではサルを二匹実験用の椅子にそれぞれ坐らせました。
その椅子からは対話も可能ですし相手を見ることもできます。
一匹のサルの前にはレバーがあってこのレバーをうまく使うことができればもう一匹のサルを電気ショックから守れるという倫理的にどうなんだという実験が行われました。
念の為ですがその電気ショックがべらぼうに強いわけでなく痛みや苦痛を感じる程度ではないものだったそうです
レバーを操作する側のサルは電気ショックを感じることはありません。
その結果一匹のサルには胃潰瘍ができたのでした。
しかし、それは予想を反してレバーを持たされた方のサルでした
このサルは仲間を電気ショックから救うという望んでもいない責任を負わされてさぞ苦しかったのでしょう
これで人間でも動物でも極度の精神的苦痛によって潰瘍になるというということが証明されたので神経症的不安に関するもっと軽度のストレスでも同じことが起こるのではないかと結論付けました
そして休暇や精神療法、精神安定剤が潰瘍治療には欠かせないものとなりました
ところが実際にはこれらの治療をしても気分は良く感じることはあったものの潰瘍が治ったという決定的な証拠には至りませんでした
休暇や精神療法は今でもよく治療に用いられているそうですがこれは潰瘍治療というよりもむしろ不安や苦悩を和らげる為に使われています
このように潰瘍の原因はストレスであるという学説を支持する証拠や根拠にあえて挑戦する研究者はあまりいなかったので何世代もの間
医学生やサラリーマンたちはこう言われていました。
「胃潰瘍や十二指腸潰瘍は典型的な心身症です。」
と。
心身症とは病名ではなく症状に関して心理社会的な要因が強く影響していると考えられる場合にいわれます
ほとんど誰もが潰瘍は不安が原因でできると思っていたのですが、本当にそうだと事実を裏付ける動かしがたい証拠はなかなか得られませんでした
まず第一に、この典型的な『心身症』を精神療法で治すことはきわめて難しいということがわかりました
精神安定剤では潰瘍が治らず、眠くなるだけであることが分かったのです
それに不安が潰瘍の原因であるという※疫学的調査結果も出てきませんでした
それどころか症例報告のかわりに、無作為に疫学的調査を行ってみると
大部分の潰瘍においては不安は原因というよりもむしろ結果だったということがわかりました
。。。次回につづきます
本日も骨格屋のブログを最後までご覧いただきありがとうございました
もりぞうでした。(・◇・)ゞ
※疫学の意味
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