シリーズ/人体の神秘 ミクロアドベンチャー 第6話:息抜き

「あれ、博士、胃の中の天井は空気が溜まってるみたいですね」
「アルボ君、よく気付いたのぉ。そうなんじゃよ」

会話の途中ですが、こんにちは西口店の井岡です

人体の神秘に魅かれ、ヨネゾ博士と一緒にミクロアドベンチャー号に乗って、人体の中へとミクロの冒険を始めたアルボ君
前回は胃酸に溶かされそうになったり、同時にピロリ菌に襲撃されたりしましたが、どうやら無事に逃げることができたようです。
検査や除菌方法、胃に優しい食事のポイントなどについてお話してきました。

さて、今日の2人はどんな会話をしているのでしょうか
ちょっと聞いてみましょう

「あそこは胃底(いてい)というという場所なんじゃよ」
「えっ、天井なのに底だなんて、なんだか紛らわしいですね」

「胃は殺菌や消化の働きをしてるというのに、何であんなところがあるんですか?」
「それはじゃな・・・、胃の中には少し空気を溜めておく場所が必要なんじゃよ。食べ物と一緒に空気が入ってきたり、炭酸飲料を飲んだときに発生するガスなどがあるからのぉ
「へぇ~、そのためのスペースなんですね」

「胃底の直ぐ近くに、穴のように窪んだところが見えるじゃろ?」
「はい、見えます」
「あそこは噴門(ふんもん)といってな、食道と胃の境界の部分なんじゃ。」

「口から入って飲み込まれた後、あそこからミクロアドベンチャー号で胃に入って来たんじゃよ」
「そうだったんですか。あの時はグルグル回っていたし、気づいたら既に胃の中でしたからね」

「アルボ君、胃の中で一定の量を超えた空気や満腹の時というのはじゃなぁ、中の圧力が高まって胃が息抜きをするんじゃぞぃ」

「じゃあ、胃底に溜まった空気って、あの噴門から口に向かって外に出て行くわけですね」

「そうじゃ、それがゲップという訳じゃな」

「早食いの人なんかは空気が胃に溜まりやすいから、ゲップが出やすくなるんじゃ。だから・・・」
「だから・・・ゆっくり食べたほうがいいってことですね

「そうじゃな。また、欧米では食事中のゲップというのは特にマナー違反じゃから注意するんじゃぞぃ」

「あれっ、なんだか壁の様子が変じゃないですか?」
「ん?もしかして・・・。うひょー、圧力センサーが上昇しておるぞぉぃ」
「えっ、それってひょっとして・・・」
「そうじゃ、げっぷをするみたいじゃ」

グゥァァ・・・

「大変じゃ、このままでは外の世界に逆戻りしてしまうわぃ」
「博士、早く何とかしてくださーぃ

ゥゥゥ・・・

「よしっ、あそこの壁に吸引ネットでくっついてしがみつぞぃ。このネットはじゃな、クモの糸を研究してじゃな・・・」
「博士、説明はいいですから早くスイッチ入れてください!!!
「そうじゃった、ミクロスパイダーネットON
ピタッ

「よし、これで大丈夫なはずじゃ。しっかりとつかまっておるんじゃぞー」

グゥァァ・・・、ゲポッーーー

「うぁ~~」

「大丈夫かい、アルボ君」
「どうなったんですか?」

「胃の壁にしっかりとくっついていたお陰で大丈夫じゃったよ」
「ハァよかった~」

どうやら2人は体の外に出されずに済んだようですね

「のぅ、アルボ君、わしの特技しっとるかい?
「えっ、なんですか?」

「これ飲んだ後に、ゲップしないで山手線の駅名が全部言えるぞぃ…
「博士、それちょっと前にお笑いで流行ったネタでしょ。コーラ飲まなくて結構です。あっ、ちょっと博士っ」

「ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ。東京、有楽町、ケポッーー
「うっ・・・

お食事中の方すみませんΣ(=゚ω゚=;)

「ところでアルボ君、ゲップが頻繁にでる場合というのは、身体に異常があるときのサインかもしれないんじゃ」
「えっ、どういうことですか・・・

さて、今日のアルボ君は、胃の息抜き(ゲップの仕組み)について理解ができたようです。次回のミクロアドベンチャーをどうぞお楽しみに

つづく

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