インフルエンザQ&A(2)/タミフルなど薬服用後の異常行動

寒い日が続く今日この頃
今週も雪の予報が出ていますが
皆様いかがお過ごしでしょうか?

こんにちは骨格屋の井口です。

相変わらずインフルエンザの流行は続いているようです。
国立感染症研究所ホームページ

という事で前回に引き続き
厚生労働省のホームページから
インフルエンザQ&Aの一部抜粋です。

Q.: 平成21年に流行した新型インフルエンザは、どうなったのでしょうか?

平成21(2009)年にインフルエンザ(H1N1)2009ウイルスが流行した時には、人々が免疫を持っていなかったため秋季を中心に大規模な流行がおき、他の型や亜型のインフルエンザウイルスによる患者の発生はほとんどありませんでした。

平成22(2010)年には、インフルエンザ(H1N1)2009ウイルスに加え、A香港型やB型のインフルエンザウイルスも流行しており、季節性インフルエンザとは異なる時期に大きな流行が発生する等の特別な状況は確認されませんでした。

このような状況を踏まえ、厚生労働省は、平成23(2011)年3月31日、当時「新型インフルエンザ」と呼ばれたインフルエンザ(H1N1)2009ウイルスについて、通常の季節性インフルエンザとして扱うこととし、対応も通常のインフルエンザ対策に移行しました。

Q.: タミフル服用後に、異常行動による転落死が起きているなどの報道がなされていましたが、現在はどのような対応が行われているのですか?

タミフル服用後に患者が転落死した事例等が報告されたことを受けて、平成19年3月には、予防的な安全対策として、添付文書(薬に添付されている説明文書)を改訂し、下記の注意を警告欄に記載するとともに、「緊急安全性情報」を医療機関に配布しました。

[1]10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落等の事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること。

[2]小児・未成年者については、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、本剤による治療が開始された後は、
(1)異常行動の発現のおそれがあること
(2)自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと。

その後、タミフルの服用と転落・飛び降り、またはこれらにつながるような異常な行動や突然死などとの関係について、平成19年4月以降、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会において調査・審議を行い、副作用等報告、非臨床試験(動物実験等)、臨床試験、疫学調査等の結果を検討してきました。平成21年6月の同調査会において、

・タミフルと異常な行動の因果関係について、疫学調査の解析結果のみから明確な結論を出すことは困難であると判断された。

・タミフル服用の有無にかかわらず、異常行動はインフルエンザ自体に伴って発現する場合があることが明確となった。

・平成19年3月の予防的な安全対策以降、タミフルの副作用報告において、10代の転落・飛び降りによる死亡等の重篤な事例が報告されていない。

ことから、予防的措置としての上記の対策(枠囲み)について、引き続き、医療関係者、患者、家族等に注意喚起を図ることとしました。上記調査会の資料は、厚生労働省のホームページの下記アドレスに掲載しています。

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/06/s0616-5.html

その後、平成22年8月21日、平成23年11月2日及び平成24年10月29日に開催された安全対策調査会が、その後に得られた副作用情報等の評価を行いましたが、タミフルと異常行動との因果関係を示す結果は得られていないものの、引き続き、これらの対策を行うことが妥当と結論づけています。

Q.: タミフル以外の抗インフルエンザウイルス薬を使用した場合にも異常行動(急に走り出す、ウロウロする等)は起こるのでしょうか? 医薬品を服用しない場合には起こらないのでしょうか?

抗インフルエンザウイルス薬には、タミフルの他にリレンザ、ラピアクタ、イナビル、シンメトレル等の医薬品がありますが、これらの医薬品の服用後にも、急に走り出すなどの異常行動の発生が認められています。

また、インフルエンザにかかった時には、医薬品を何も服用していない場合や解熱剤のアセトアミノフェンだけを服用した後でも、同様の異常行動が現れることが報告されています。インフルエンザに罹患して、自宅において療養を行う場合には、突然走り出して2階から転落するなどの事故を防止するため医薬品の服用の有無にかかわらず、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮しましょう。

インフルエンザ罹患に伴う異常行動の研究については、厚生労働省ホームページの下記アドレスに掲載されています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002n1p8-att/2r9852000002nd92.pdf

○異常行動の例

・突然立ち上がって部屋から出ようとする。

・興奮状態となり、手を広げて部屋を駆け回り、意味のわからないことを言う。

・興奮して窓を開けてベランダに出ようとする。

・自宅から出て外を歩いていて、話しかけても反応しない。

・人に襲われる感覚を覚え、外に飛び出す。

・変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る。

・突然笑い出し、階段を駆け上がろうとする。

Q.: 抗菌薬はインフルエンザに効果がありますか?

インフルエンザウイルスに抗菌薬は効きませんが、特にご高齢の方や体の弱っている方は、インフルエンザにかかることにより肺炎球菌などの細菌にも感染しやすくなっています。このため、細菌にもウイルスにも感染する(混合感染)ことによって起こる気管支炎、肺炎などの合併症に対する治療として、抗菌薬等が使用されることはあります。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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